グランドピアノには大きな蓋が付いています。日本では「屋根」と呼ばれています。
この屋根を開けると、音は屋根に反射して鍵盤に向かって右方向へ飛んでいきます。
通常、屋根は大小2段階、あるいは極小も含めた3段階に開き、音量・響きが変化します。
ピアノが設置されているスペース・環境に応じて、あるいは合奏楽器との音量バランスを考えながら、開き加減を調節します。
さて、下の写真をご覧ください。グランドピアノですが何か違和感を感じませんか??
屋根が大きく開いていますが、屋根を支える突き上げ棒が正しい位置よりも外側に開いていて、屋根の支えが不安定になっています。
(突き上げ棒と屋根の角度が直角になっていない)
誤って、屋根を小さく開ける時の受け皿に突き上げ棒先端をセットしてしまったためです。
一般雑誌や新聞広告、通販カタログ等の色々な写真で、このように屋根突き上げ棒が誤った位置にセットされているグランドピアノが写っているのをみかけることがあります。地震が発生したらちょっと危険ですね。
この問題を防ぐために、突き上げ棒が適正角度以上外側に開かないようにストッパーをつけて、誤った受け皿にセットできないようにしてあるモデルが最近は多いようですが、注意してチェックしたい点です。
グランドピアノをご自宅にお持ちの方で、屋根を開けて弾かれている方は意外と少ないようです。
譜面台を使用できるように屋根の手前の部分だけ開けている、、あるいは屋根は完全に閉じて、譜面台は取り出して屋根の上に置いているといケースが多いようです。
「屋根が重くて開閉がたいへん」という理由もあるかもしれませんが、できれば、演奏するときは屋根を開けてピアノの音をよく聴きながら美しく響かせたいものですね。
当館スタジオAのピアノ、屋根全開の状態です。
「アンプロムプテュ白馬」のスタジオではほとんどのお客様は屋根は小開きで弾かれていますが、大開きで弾かれる方もおられます。
「長時間練習を続けても耳が疲れない!!」というコメントを多くのお客様からいただいておりますので、皆様お好みの響きで、クリアな音を聴きながら、快適な練習をたっぷりとお楽しみください。
ご利用をお待ちしております。