2012年04月17日

ピアノ発音の仕組み "Let off"

一昨日の日曜日、暖かな春の日ざしに包まれた松本市でピアノ調律師協会信越支部主催の「ピアノ演奏表現の可能性をメカニックから」というレクチャーコンサートが開催されました。
東京芸大副学長の渡辺健二先生の講話と演奏に満員のお客様は興味深く聞き入っておられました。 ご来場いただきました皆様、どうもありがとうございました。

講話の中で渡辺先生も触れておられましたが、ピアノのメカニズムの重要なポイントの一つに"Let off " という仕組みがあります。
ピアノはハンマーが弦を打つことにより発音するのですが、演奏者はハンマーに直接触れることはできず、鍵盤しか触ることができません。 
そのため、鍵盤の動きをハンマーの動きに変換するメカニズムが必要になります。
通常、そのメカニズムは「アクション」と呼ばれています。
そのアクションの中に、"Let off" という仕組みが組み込まれています。

鍵盤を押すと、その動きはアクションによって100%ハンマーの動きに変換されます。
鍵盤の動きに連動する"Jack"という部品が、ハンマーの根元に付いている"Roller"という丸い筒状の部品を突きあげハンマーは上昇します。しかし、鍵盤が深さ10mmのボトムに到達する直前にこの連動は解除されてしまいます。"Jack" が "Roller" の下から手前に動いて(逃げて)ハンマーの上昇は止まります。ハンマーが鍵盤の支配から解放されるのです。
この、"Jack" が"Roller"の下から"Escape"する仕組みを"Let off" と呼んでいます。

DSC_0231.JPG
ゆっくり鍵盤を押してボトムに到達した状態です。 JackはRollerの下から右に逃げています。

もし"Let off" という仕組みが無く、最後まで鍵盤とハンマーが連動していると、ハンマーが弦に接した後も弦を押し続けて弦振動は阻害されてしまいます。
ゆっくりと鍵盤を押しながらハンマーの動きを観察するとこの仕組みがよく理解できるかと思います。

演奏の観点から考えると、ハンマーは最後は自由運動(鍵盤とは遮断された)で弦を打つため、演奏者が鍵盤の底の方で何をしても手遅れ、、、
演奏者は打弦直前のハンマーの動きをリアルタイムで直接支配できないのです。
勝負は「鍵盤の浅い所でどんな弾き方をしてハンマーを弦に向かって打ち放つか、」、、ということが言えるかと思います。
ただ、実際には鍵盤底部でも、鍵盤の深さや、底への到達感、などなど、、、タッチに関しての重要な要素はたくさんあります。

いろいろ複雑なメカが搭載されているピアノですが、この"Let off" は重要なポイントで、演奏者の方々も是非理解されておくと良いかと思います。
「アンプロムプテュ白馬」へご来館のお客様で、このメカに興味をお持ちの方は遠慮なくご質問ください。
実際のピアノを見ながら説明させていただきます。

謎につつまれた奥深い楽器、、、ピアノへの興味は尽きません。。。








posted by ピアニストの隠れ家オーナー at 11:49| Comment(0) | ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月27日

「ピアノ演奏表現の可能性をメカニックから」

昨日の朝の白馬は積雪30cm、「アンプロムプテュ白馬」の玄関前も膝まで埋まるくらい積もりました。3月下旬だというのに除雪機出動の雪掻きでした。 白馬で暮して3年半ですが、この時期にこんなに積もったのは初めてです。
そして今朝は晴れ、雪もだいぶ融けて春を感じます。 まさに三寒四温ですね。

DSC_0281.JPG
昨日朝、3月下旬とは思えない風景です!!

さて今日は、来たる4月15日(日)、松本市あがたの森文化会館で開催される日本ピアノ調律師協会信越支部主催のコンサートをご紹介させていただきます。
今までこのブログでピアノの構造について時々お話してきましたが、それに関連した内容の企画です。
東京芸術大学副学長のピアニスト渡辺健二先生によるレクチャーコンサートで、「ピアノ演奏表現の可能性をメカニックから」というテーマで講演・演奏していただきます。

渡辺先生はリスト演奏のスペシャリストとしてだけでなく、ピアノのメカニズムにたいへん精通されているピアニストとして有名です。
実際に演奏されながらピアノのメカニズムと演奏表現の関連についてわかり易く解説していただけるかと思います。
特に、日頃ピアノを教えられている先生方には、とても興味深い内容かと思います。 皆様この機会に是非ご聴講ください。

入場は無料ですが事前に申し込みが必要です。
入場ご希望の方は「アンプロムプテュ白馬」山口までご連絡ください。
tel 0261-85-4760

白馬村、松本近郊の方はもちろん、首都圏にお住まいの方も当館ご利用の前後に立ち寄られるというのは如何でしょうか?

皆様のご連絡をお待ちしております。



posted by ピアニストの隠れ家オーナー at 11:29| Comment(0) | ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月24日

"C3XA" in Musikmesse

今週21日から今日までの4日間、"Musikmesse 2012" という大きな楽器見本市がドイツのフランクフルトで開催されています。
日本の楽器業界では「フランクフルトメッセ」と呼ばれています。
毎年3月頃に開催される欧州最大の楽器見本市で、様々な楽器や音楽機器が一堂に展示され、たくさんの音楽関係者や愛好家がフランクフルトに集まります。

ピアノもアコースティックからデジタルまで世界中のメーカーが出展し、いろいろなピアノに触れることができます。
私も欧州で暮していた時は、毎年仕事でこの展示会に参加していましたが、たくさんのピアノを弾くことができて、とても勉強になりました。
音楽愛好家の方にはとても魅力的な催物です。

「アンプロムプテュ白馬」には4台のグランドピアノ「ヤマハC3XA」がありますが、昨年からこの機種が欧米でも販売されています。
C3XAの音のテイストは欧米の音楽家の方々にもとても評判が良いそうです。
フランクフルトメッセでは昨年3月に新商品として紹介されました。その時の動画がアップされていますので、ご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=xOB5YAGj7sY&list=UUctmuAIhpZOPiWQN57-_mZw&index=141&feature=plcp

当館のC3XAも購入以来2年半が経過し、少しずつお客様に弾きこまれ、響きも日々豊かになってきました。
いつも最高の状態でお客様に弾いていただけるよう毎日一生懸命手入れをしております。

皆様のご利用をお待ちしております。







posted by ピアニストの隠れ家オーナー at 12:23| Comment(0) | ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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