2013年04月21日

ピアノの構造についてのレクチャー「鍵盤とペダルの向こうガワ」

先週の暖かかった数日で桜の花が一気に開いてきました。「春本番の白馬村 !!」、、、、とお知らせしたいのですが、、、
今朝の白馬村は「雪 !!」、、、、銀世界が広がっています。 でもこの寒さで桜の花が長持ちするかもしれませんね。

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今朝の景色、、、当館客室から。。まるでモノクロ写真ですね。

さて、先日「アンプロムプテュ白馬」でピアノの構造についてのレクチャーを開催しましたのでご紹介させていただきます。

ピアニストの方は演奏時に「鍵盤」と「ペダル」を駆使して音楽を紡ぎ出しますが、ピアノという楽器の全体的な構造・仕組みをよく理解されている方は意外と少ないようです。鍵盤とペダルに込められた演奏情報は、その先ピアノ内部にどのように伝達されて音になるのか? 「ピアノという楽器の構造・仕組みをよく理解していただくことで、ピアノからもっと多彩な表情を引き出す参考にしていただければ、、」というのがこのレクチャーの目的です。「鍵盤とペダルの向こうガワ」というタイトルで2日間合計4時間の日程です。前半は「ピアノの基本構造」、後半は「ピアノの調律調整」をメインテーマに、ピアノを分解し実演をまじえながら、調律師としての視点から当館オーナーの山口がお話させていただきます。

調律師やピアニストによるこの種の講座はあちこちでしばしば開催されており、参加された方も多くおられるかと思います。当館の講座の特徴は、少人数で楽器を間近に見ながら触りながら、より実践的にご理解いただけるという点にあるかと思います。先週は白馬村及び近郊に在住の6名のピアノの先生方にご参加いただき、後半の「ピアノの調律調整」について解説させていただきました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

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会場は当館サロンです。ピアノを囲んで実施されます。

今後もこの内容をベースに、いろいろアレンジを施して様々な形で継続してゆこうと思っております。
音大の生徒さん対象の集中合宿講座、、、ピアノ教室の生徒さん対象に、、、小さな子供さんの好奇心を喚起させるように、、、一般の方への教養講座として、、等々いろいろな可能性があるかと思います。
開催のご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
当館ご利用の際のオプションの一つとしてご検討いただけたらと思います。
ちょっと面白いレクチャーをご提供できるかと思います。。。




posted by ピアニストの隠れ家オーナー at 15:47| Comment(0) | ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月22日

「ピアノの弾き込み」ってナニ?

アンプロムプテュ白馬の4台のグランドピアノは2009年に製造されたもので今年で4歳、、、日々手入れをして、そしてお客様に弾いていただくことでだいぶ響くようになってきました。でもまだ若さ(幼さ)があり今後少しずつ成熟してゆくと思います。

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多くのアコースティック楽器がそうであるように、ピアノもその能力をフルに発揮するには十分に弾きこまれることが必要で時間がかかります。

新しいピアノは外見も美しく輝き、機能的にはとても良い状態にありますが、「響き」「鳴り」については「まだ眠っている」という状況が多いものです。調律も不安定で音律の保持には苦労します。
それが、弾かれてゆくにつれてだんだんと目覚め、響きが豊かになり「よく鳴る」ようになってきます。

では、弾き込まれることによって何が変わるのでしょうか?

まず「弦とハンマーの接触点が馴染んでくる、」ということがあげられると思います。
ピアノはフェルト製のハンマーが硬い金属の弦を打つことで音が出ます。
中音部より上では1つの音に3本の弦が張られていて、それらを卵型のフェルトハンマーの先端で打つのですが、新しいピアノではハンマーと弦との接触がまだ安定していません。
3本の弦への接触のタイミングに微妙な時間差が生じていれば、音の立ち上がりが悪くなったり、音に濁りが発生したり、、、、
弾き込むことによって、その接触が自然な安定したものとなり音がクリアに立ち上がるようになります。

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ピアノの音源は弦で、その振動が響板で増幅され、美しい豊かな響きとなって発せられます。実際には響板だけでなく外装やメカニズム等ピアノを構成するすべてのパーツが振動して音が増幅されます。ピアノの外装に耳を直接当てて音を聞いてみると、その大きさに驚きます。ピアノ全体が振動して音を発しているのです。
新しいピアノでは、各パーツがまだよく響かず「響き慣れていない」ということが言えるかと思います。弾き込まれ頻繁に振動することによって、ピアノ全体が振動に慣れて、より自然に豊かに響くようになるのです。

メカニズムの動きも重要です。メカには回転する部分、擦れる部分がたくさんあります。新しいピアノのメカは正確に調整されていますが、その動きはまだぎこちないものと言えるかもしれません。弾き込まれることによって、より滑らかに動くようになり演奏者も楽器をコントロールしやすくなり、楽器を豊かに響かせることができるようになります。

ピアノに限らず、ほとんどのアコースティック楽器で、「弾き込み」による変化が発生します。「音がぬけてきた」「よく鳴ってきた」、、、などと表現されます。管楽器で出しにくかった高音部や低音部が簡単に出るようになった、、、等の経験をお持ちの方は多いかと思います。

「弾き込み」による変化は、一週間、一か月、一年、、さまざまなスパンで感じられますが、朝夕の違い、昨日今日の違い、、を感じることもしばしばです。「ピアノは生きもの」です。 弾かれないと眠ってしまい「寝たきり」になってしまいます。弾かれると喜び成長して奏者の要求にどんどん応えてくれるようになります。中音部や白鍵に偏ることなく88鍵バランスよく、弱音から強音まで様々な音量で弾き込まれれば、ピアノはどんどん進化することでしょう。

まだまだ若い当館のピアノですが、お客様に弾き込んでいただき成長してゆくのが楽しみです。やがて弾力ある華麗な音になり、いつか艶やかなノーブルな音に落ち着き、そして枯れた味わいある雰囲気を醸し出す日が来ることでしょう。

子育てのように、毎日見守ってゆきたいと思います。





posted by ピアニストの隠れ家オーナー at 10:21| Comment(0) | ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月06日

調律されたピアノで練習

「アンプロムプテュ白馬」のピアノは毎朝調律を実施してお客様に弾いていただいております。いつも調律されたピアノが用意されているという施設はコンサートホールや録音スタジオを除いてはとても希少かと思います。オーナーの私自身が調律師という当館ならではのアドバンテージだと思っております。

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では、調律されたピアノとそうでないピアノはどのように違うのでしょうか?
季節の移り変わり、温湿度の変化等、様々な要因でピアノの調律状態は常に動いて変化しています。
冷暖房、除湿器や加湿器でピアノに優しい環境の維持に努めている当館のピアノでも、毎日少しずつ調律の狂いが発生します。ただ調律の微妙な狂いを一般の方が認識するのは通常は難しいかと思います。
以前ブログに書きました「調律の狂いって?」もご一読ください。
http://impromptus-hakuba.seesaa.net/article/241514737.html

プロの演奏家の方々、音感の鋭い子供さんや、絶対音感をお持ちの方など、調律の微妙な狂いに敏感に反応される方はおられますが、一般的には「調律が狂っているのでは?」と感じられた時には既にかなり狂った状態というケースが多いようです。調律を実施した直後の美しい響きを聞いていただくと「だいぶ狂っていたのですね」と気づかれる方はたくさんおられます。ひどく「ガラガラ」に狂っていた場合、調律後に「響かなくなった、鳴らなくなった !!」と言われる方もおられます。狂った騒々しい響きに耳が慣れてしまったゆえのコメントだと思います。いつも狂ったピアノで弾き続けているとそれが正常と勘違いしてしまうようです。ヒトの耳ってすぐに慣れてしまうようでちょっと恐ろしいですね。特に音感形成期の子供さんなどには気をつけたいポイントです。でも一般のご家庭で毎日調律するなど実際には不可能で、あるレンジの狂いは許容して弾いていただくというのが現実です。

私は調律師という職業柄、小さな調律の狂いでも気になってしまうことがしばしばあります。一種の職業病ですね。
調律されたピアノは美しく伸びやかに自然に響きます。澄んだ音がエネルギーを発しながら「スーッ!!!」っと上向きにまっすぐに飛んでゆくというイメージです。狂ったピアノの音はすぐに「ヘニャ〜ッ」と沈んでピアノ周辺の床にバラバラと落下してしまいます。
「調律されたピアノでの練習」は音楽表現を強力にサポートしてくれるはずです。 普段は封印されてしまっている感性を目覚めさせてくれるかもしれません。
皆様、当館で調律されたピアノの響きを心ゆくまで実感してみてください。お待ちしております。


posted by ピアニストの隠れ家オーナー at 14:23| Comment(0) | ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする