2013年02月22日

「ピアノの弾き込み」ってナニ?

アンプロムプテュ白馬の4台のグランドピアノは2009年に製造されたもので今年で4歳、、、日々手入れをして、そしてお客様に弾いていただくことでだいぶ響くようになってきました。でもまだ若さ(幼さ)があり今後少しずつ成熟してゆくと思います。

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多くのアコースティック楽器がそうであるように、ピアノもその能力をフルに発揮するには十分に弾きこまれることが必要で時間がかかります。

新しいピアノは外見も美しく輝き、機能的にはとても良い状態にありますが、「響き」「鳴り」については「まだ眠っている」という状況が多いものです。調律も不安定で音律の保持には苦労します。
それが、弾かれてゆくにつれてだんだんと目覚め、響きが豊かになり「よく鳴る」ようになってきます。

では、弾き込まれることによって何が変わるのでしょうか?

まず「弦とハンマーの接触点が馴染んでくる、」ということがあげられると思います。
ピアノはフェルト製のハンマーが硬い金属の弦を打つことで音が出ます。
中音部より上では1つの音に3本の弦が張られていて、それらを卵型のフェルトハンマーの先端で打つのですが、新しいピアノではハンマーと弦との接触がまだ安定していません。
3本の弦への接触のタイミングに微妙な時間差が生じていれば、音の立ち上がりが悪くなったり、音に濁りが発生したり、、、、
弾き込むことによって、その接触が自然な安定したものとなり音がクリアに立ち上がるようになります。

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ピアノの音源は弦で、その振動が響板で増幅され、美しい豊かな響きとなって発せられます。実際には響板だけでなく外装やメカニズム等ピアノを構成するすべてのパーツが振動して音が増幅されます。ピアノの外装に耳を直接当てて音を聞いてみると、その大きさに驚きます。ピアノ全体が振動して音を発しているのです。
新しいピアノでは、各パーツがまだよく響かず「響き慣れていない」ということが言えるかと思います。弾き込まれ頻繁に振動することによって、ピアノ全体が振動に慣れて、より自然に豊かに響くようになるのです。

メカニズムの動きも重要です。メカには回転する部分、擦れる部分がたくさんあります。新しいピアノのメカは正確に調整されていますが、その動きはまだぎこちないものと言えるかもしれません。弾き込まれることによって、より滑らかに動くようになり演奏者も楽器をコントロールしやすくなり、楽器を豊かに響かせることができるようになります。

ピアノに限らず、ほとんどのアコースティック楽器で、「弾き込み」による変化が発生します。「音がぬけてきた」「よく鳴ってきた」、、、などと表現されます。管楽器で出しにくかった高音部や低音部が簡単に出るようになった、、、等の経験をお持ちの方は多いかと思います。

「弾き込み」による変化は、一週間、一か月、一年、、さまざまなスパンで感じられますが、朝夕の違い、昨日今日の違い、、を感じることもしばしばです。「ピアノは生きもの」です。 弾かれないと眠ってしまい「寝たきり」になってしまいます。弾かれると喜び成長して奏者の要求にどんどん応えてくれるようになります。中音部や白鍵に偏ることなく88鍵バランスよく、弱音から強音まで様々な音量で弾き込まれれば、ピアノはどんどん進化することでしょう。

まだまだ若い当館のピアノですが、お客様に弾き込んでいただき成長してゆくのが楽しみです。やがて弾力ある華麗な音になり、いつか艶やかなノーブルな音に落ち着き、そして枯れた味わいある雰囲気を醸し出す日が来ることでしょう。

子育てのように、毎日見守ってゆきたいと思います。





posted by ピアニストの隠れ家オーナー at 10:21| Comment(0) | ピアノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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